この記事では、モメンタム系指標の一つであるストキャスティクス・オシレーターについて詳しく解説します。
※免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、投資の勧誘を目的とするものではありません。
投資判断はあくまでご自身の責任にてお願いいたします。
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暗号資産の取引は価格変動リスクが伴いますので、十分ご注意ください。
ストキャスティクスは、RSIと同様に「買われすぎ」や「売られすぎ」の判断に使われる指標ですが、価格の位置関係に基づいた独自のアプローチを持っています。
それぞれの特性を理解し、適切な使い分けをすることで、トレードの精度を高めることができます。
ストキャスティクス・オシレーターとは

ストキャスティクス・オシレーター(英:Stochastic Oscillator)は、相場の「勢い(モメンタム)」を測ることで、買われすぎや売られすぎを判断し、売買タイミングを見極めるために使われるテクニカル指標です。
価格がある一定期間内の高値・安値レンジの中で、どの位置で終値をつけているかを数値化し、その推移をグラフで表します。特にレンジ相場での逆張りタイミングの判断に強く、移動平均やRSIなどの他の指標と組み合わせることで、精度の高いシグナルを得ることができます。
ストキャスティクスの基本構成と種類

ストキャスティクスは、主に以下の2本のラインで構成されます:

- %Kライン:現在の終値が過去n日間の高値と安値の間のどこにあるかを数値化。
- %Dライン:%Kラインの移動平均(通常3期間)で、ノイズを滑らかにしたもの。
※以下は通常表示されない3本目 - Slow %D(スローストキャスティクス):さらに%Dを移動平均したもの(通常3期間)
また、反応速度によって以下の2タイプがあります:
- ファストストキャスティクス:反応が速いがダマシが多い。
- スローストキャスティクス:反応は遅いがシグナルの信頼性が高い。
RSIとの違いと使い分け
ストキャスティクスとRSIはどちらもモメンタム系の指標であり、買われすぎ・売られすぎを判断する目的で使われますが、以下のような違いがあります:
観点 | ストキャスティクス | RSI |
---|---|---|
基準 | 過去n日の高値・安値レンジと終値の位置関係 | 終値の値動きの変化率(上昇と下落のバランス) |
特徴 | より価格の位置に敏感でシグナルが多め | ノイズが少なく滑らかで安定した動き |
向いている相場 | レンジ相場や短期反発を狙う局面 | やや長めのスイングトレードや相場の過熱感把握 |
使い分けのヒント
- 短期トレードで細かくタイミングを見たい場合 → ストキャスティクス
- 過熱感をざっくり把握したい/トレンド継続を見たい場合 → RSI
- 両方使ってシグナルが一致したタイミングを狙うと、信頼性UP
シグナルの読み解き方
0〜100%のスケール
- 80%以上:買われすぎゾーン
- 20%以下:売られすぎゾーン
ゾーンに入っただけでは売買判断とはならず、他のシグナルと組み合わせて活用します。
主なシグナルの種類
- ゴールデンクロス(買いシグナル):売られすぎゾーンで%Kが%Dを下から上に抜ける
- デッドクロス(売りシグナル):買われすぎゾーンで%Kが%Dを上から下に抜ける
- ダイバージェンス:価格とストキャスの動きが逆方向 → トレンド転換の予兆
- ヒドゥンダイバージェンス:価格はトレンド継続だがストキャスが逆に動く → トレンド継続のサイン
実践的な使い方
ストキャスティクスは、以下のような場面で有効に機能します:
1. レンジ相場での逆張り
- 売られすぎゾーンでのゴールデンクロス → 反発狙いの買い
- 買われすぎゾーンでのデッドクロス → 反落狙いの売り
2. トレンド相場での押し目/戻り判断
- トレンド中のヒドゥンダイバージェンス → 押し目・戻りを狙う
- 他のトレンド系指標(MA、MACDなど)と組み合わせて使う
3. 他の指標との併用
- RSIと合わせてダブルシグナルとして使う
- ATRと併用してストップ幅の検討材料にする
注意点と対策
- 強いトレンド中は、買われすぎ・売られすぎゾーンに長く滞在することがある
- 単独で使うとダマシが多くなるため、他の指標やローソク足パターンとの併用が推奨されます
まとめ
ストキャスティクスは、相場の勢いを視覚的に捉えることで、短期的な反発や反落の兆しを察知するのに有効な指標です。
特にレンジ相場に強く、トレンド転換を示すダイバージェンスや、押し目・戻りの判断に役立つヒドゥンダイバージェンスなども組み合わせることで、トレーディング精度を高めることができます。
ストキャスティクスはこんな人におすすめ
- 短期トレードでタイミングを重視したい人
- RSIやMACDと組み合わせて精度を上げたい人
- ダイバージェンスを用いた逆張り戦略を取り入れたい人