ONDO Financeは、伝統的な金融(TradFi)と分散型金融(DeFi)を結びつけることを目指し、現実世界資産(RWA)のトークン化を推進する主要プロジェクトのひとつです。

米国債やマネーマーケットファンドなどをブロックチェーン上で取引可能なデジタル資産として提供し、透明性と効率性、そして24時間365日取引可能なインフラを実現します。
特に注目すべきは、金融機関グレードの資産とインフラストラクチャを構築する「Ondo Chain」の開発です。これは、RWAトークン化専用のLayer1ブロックチェーンであり、金融特化のエコシステムとして期待されています。
さらに、CoinMarketCapなどのデータによれば、ONDOトークンは既に多数の中央集権型および分散型取引所に上場しており、現在は市場時価総額30億ドルを超えるトップレベルのRWA系トークンとして注目されています。
※免責事項
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ONDOトークンの基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
通貨名 | ONDO(オンド) |
ティッカーシンボル | ONDO |
ローンチ日 | 2024年1月18日 |
ブロックチェーン | イーサリアム(ERC-20)、今後Ondo Chainへ移行予定 |
コンセンサスアルゴリズム | PoSベース |
最大供給量 | 100億 ONDO |
流通量(2025年5月時点) | 約39億 ONDO |
時価総額(2025年5月時点) | 約32億ドル |
価格帯(2025年5月時点) | $0.97〜$1.00 |

主な製品・サービス
- USDY:短期米国債と銀行預金に裏付けられた利回り付きトークン(米国外向け)
- OUSG:ブラックロックのETFに連動する、短期米国債トークンファンド
- OMMF:米国のマネーマーケットファンドに連動するトークン
- Flux Finance:Ondo傘下のDeFiレンディングプラットフォーム
- Ondo Global Markets:証券やETFをトークン化して提供するオンチェーン市場(米国外向け)
これらのサービスは、個人・機関投資家の両方を対象に設計されており、利回りを得る手段として、ステーブルコインの代替手段となる可能性を秘めています。
Ondo Chainについて
2025年2月に発表された「Ondo Chain」は、Cosmos SDKを活用したRWA特化のLayer1ブロックチェーンです。
主な特徴:
- RWAステーキング機能(米国債等のトークンを担保に)
- パーミッション付きバリデーター(主に規制済み金融機関)
- オフチェーンデータの検証機構(Proof of Reserve)
- クロスチェーンブリッジ(Ondo Bridge)による資産移転
- ガス代支払いにRWAを使用可能
- オラクルと監査証明システムの統合
このハイブリッド設計により、機関投資家のニーズに応えるだけでなく、RWA市場の標準インフラとなる可能性があります。
トークノミクス概要
- 総供給量:100億 ONDO
- インフレ:なし
- トークン配分:
- エコシステム成長:52.1%
- プロトコル開発:33.0%
- プライベートセール:12.9%
- コミュニティセール:2.0%
- チーム・アドバイザー:7.5%(5年ロック)
また、ベスティングスケジュールにより一部は段階的にアンロックされ、供給圧の管理がなされています。ONDOトークンはガバナンストークンでもあり、プロトコルのパラメーター調整やFlux Financeの運営にも関与できます。
主なパートナー・提携
◉ 伝統金融(TradFi)・金融インフラ系パートナー
- ブラックロック:OUSGファンドの運用に関与
- JPモルガン:クロスチェーン決済のPoCに参加
- ペイパル:PYUSDとOUSGの即時変換を実現
- マスターカード:MTNにおけるRWA利回り運用
- BNYメロン/シティ/ステート・ストリート:カストディ業務や運用支援
- Chainlink:オラクル連携によるDvP決済の実証
◉ ブロックチェーン・Web3連携(多チェーン展開)
- Sui Network(2024年3月)
- USDYをSuiチェーンでネイティブ発行
出典:Ondo’s Wave of Tokenization Meets Sui’s Expanding Sea - Solana
- USDYのSolanaチェーン展開
- Avalanche
- USDYをAvalancheチェーン上でも展開
- XRP Ledger
- USDYのXRP Ledger上での発行(予定)
これらのパートナーシップは、法規制の対応・信頼性の担保・RWAの採用拡大に大きく寄与しています。
注目される理由
ONDO Financeが注目される最大の理由は、RWAという急成長セクターにおいて、規制対応力・実績ある提携先・独自ブロックチェーンという三拍子を揃えている点にあります。
- 法規制に強い構造:金融機関レベルの透明性と監査体制を導入し、KYC/AML対応を前提とした設計。
- 名だたるパートナー:ブラックロックやJPモルガン、マスターカードなど、大手TradFiとの連携による信頼性の高さ。
- 専用L1チェーン「Ondo Chain」:既存のL1に依存せず、RWA運用に最適化された独自基盤。
- 利回り付きRWAプロダクト:ステーブルコインの進化形として、利回りを得られる仕組みを提示。
これにより、ONDOは単なるDeFiトークンの枠を超え、次世代のオンチェーン証券市場を牽引する存在として脚光を浴びています。
今後の展望
Ondo Financeは、RWAトークン化分野におけるリーディングプロジェクトとして、金融市場の民主化を掲げています。特にOndo Chainの稼働により、今後のステーブルコイン以外の利回りトークン普及や、オンチェーン証券市場の形成において中心的役割を果たす可能性があります。
また、今後の規制整備の進展によって、機関投資家のさらなる参入とともに、ONDOエコシステムの拡張が期待されます。
まとめ
ONDO Financeは、RWAのトークン化という急成長市場において、技術力・規制対応・金融ネットワークの三拍子を武器に、業界の最前線を走っています。
- 米国債やMMFなど実需に基づくプロダクトを展開
- 独自チェーン「Ondo Chain」による専用インフラの構築
- 大手金融機関との提携に裏打ちされた信頼性
RWAトークンの中でも、実用性と市場ニーズを高次元で両立させている点がONDOの真の強みといえるでしょう。
今後も市場の動向やパートナーシップ、規制対応の進展に注目が集まりそうです。