このページでは、テクニカル分析で定番の指標である「MACD」について、基本構造から具体的な使い方、長所・短所、そして実際の設定方法までを初心者向けにわかりやすく解説します。
MACDは、トレンドの“勢い”を視覚的に把握できることから、売買タイミングの判断にも活用されている人気の高いインジケーターです。これから投資を始める方や、分析精度を高めたい方にとって役立つ内容となっています。
※免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、投資の勧誘を目的とするものではありません。
投資判断はあくまでご自身の責任にてお願いいたします。
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暗号資産の取引は価格変動リスクが伴いますので、十分ご注意ください。
MACDの構造と仕組み:3つのラインで構成される
MACDは、以下の3つのライン・数値で構成されています。

■ MACDライン
短期EMA(12期間)から長期EMA(26期間)を引いた値。現在のトレンドのモメンタム(勢い)を示します。
■ シグナルライン
MACDラインの9期間EMA。MACDの動きを平滑化し、売買シグナルとして使います。
■ ヒストグラム
MACDラインとシグナルラインの差を棒グラフで表したもの。棒が伸びていればモメンタムが強いことを示し、縮まっていれば弱まりを示唆します。
MACDの見方と売買サインのパターン

■ シグナルラインとのクロス
- MACDがシグナルラインを下から上に突き抜ける:買いサイン(ゴールデンクロス)
- 上から下に突き抜ける:売りサイン(デッドクロス)
■ ゼロラインとのクロス
- MACDが0ラインを上抜け:強い上昇トレンドの兆し
- 0ラインを下抜け:下落トレンドが加速する可能性
■ ダイバージェンス(乖離)

価格が高値を更新しているのにMACDが高値を更新しない場合は”弱気ダイバージェンス”。 逆に、価格が安値を更新しているのにMACDが安値を更新しない場合は”強気ダイバージェンス”。
MACDの長所と短所まとめ
■ 長所
- トレンドの方向性とモメンタムを同時に把握できる
- 視覚的にシンプルで初心者でも理解しやすい
- 多くのチャートツールで標準装備されている
- 他の指標(RSI、ボリバンなど)との組み合わせがしやすい
■ 短所
- レンジ相場ではダマシのシグナルが出やすい
- 遅行性があるため、反応がやや遅れることがある
- MACDラインやシグナルラインの設定期間によって結果が変わりやすい
MACDを使うときの注意点
MACDはトレンドのある相場に強い反面、レンジ相場では「ダマシ」が多くなる傾向があります。そのため、他の指標(RSIやボリンジャーバンドなど)と組み合わせて使うと、より精度の高いシグナル判断が可能になります。
TradingViewでのMACD設定方法(初心者向け)
- チャート画面上部「インジケーター」をクリック
- 検索窓に「MACD」と入力
- 標準のMACDを選択すると、画面下部に自動で表示されます
初期設定(12,26,9)でOKですが、短期トレードの場合は設定を変更してもよいでしょう。
まとめ:MACDは“勢い”を捉えるトレンド分析の基本ツール
チャート分析を学び始めたころ、MACDに出会ったときに感じたのは、「この指標だけで売買のタイミングを決めるのは難しいな」ということでした。特に短期の値動きにおいては、MACDのシグナルだけでは判断しきれない場面が多くあります。
ただ、月足チャートなど長期的な視点で見たときには、現物の買い増しタイミングとしては非常にわかりやすく機能しているようにも感じています。
自分の経験を通しても、MACDは他の指標と組み合わせたり、時間軸を工夫することでより効果を発揮する、奥深いインジケーターだと感じています。