トレンドの転換点を読み取る上で、RSIは多くのトレーダーに利用されている定番のテクニカル指標です。 この記事では、RSIの仕組みや使い方、MACDとの違い、そして筆者の実際の使用感までをわかりやすく解説します。
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RSIとは?
RSI(Relative Strength Index)は、相場の「買われすぎ」「売られすぎ」を数値で把握できるテクニカル指標です。0〜100の数値で表示され、多くのトレーダーが反転ポイントの目安として活用しています。
RSIの構造と仕組み:1本のラインで相場の勢いを測る
RSIは、1本のラインで構成され、特定期間の「上昇の強さ」と「下落の強さ」のバランスを元に計算されます。
■ 計算方法
RSIは以下の計算式で求められます:
RSI = 100 - (100 / (1 + RS))
RS = 平均上昇幅 ÷ 平均下落幅
例えば14期間のRSIであれば、直近14本のローソク足のうち、上昇幅と下落幅の平均を出して比率を計算します。
このRS(Relative Strength)が高ければRSIも高くなり、買われすぎを示します。逆にRSが小さければRSIも低くなり、売られすぎを示します。
RSIは、1本のラインで構成され、特定期間の「上昇の強さ」と「下落の強さ」のバランスを元に計算されます。
■ RSIライン

一定期間の平均上昇幅と平均下落幅から計算された値で、モメンタムの強さを示します。0〜100の範囲で推移し、買われすぎ・売られすぎを可視化します。
RSIの使い方と売買サインの見方
■ 基準ライン(70 / 30)
- RSIが70以上:買われすぎ → 売り圧力が強まる可能性(売りサイン)
- RSIが30以下:売られすぎ → 買い圧力が強まる可能性(買いサイン)
■ ゼロラインとの関係
RSIにはMACDのような「ゼロラインとのクロス」はありませんが、50ラインを中心とした強弱の分岐点として活用されることがあります。
■ ダイバージェンス(乖離)

- 価格が高値を更新しているのに、RSIが高値を更新していない → 弱気ダイバージェンス(反落の兆し)
- 価格が安値を更新しているのに、RSIが安値を更新していない → 強気ダイバージェンス(反発の兆し)
RSIの設定期間:どの期間を使うべきか?
RSIは計算に使う期間を自由に変更できますが、一般的に使用される設定値は以下の通りです:
- 短期トレード:7、9など(反応が早くなる)
- 標準設定:14(多くのチャートでデフォルト)
- 長期トレード:21、28など(ノイズを抑えてゆったりと)
用途やトレードスタイルに応じて、調整が必要です。
RSIとMACDの違いと使い分け
RSIとMACDは、どちらもダイバージェンスを見つけるのに使われる指標ですが、性質が異なります。
比較項目 | MACD | RSI |
---|---|---|
種類 | トレンド系(移動平均ベース) | オシレーター系(相場の過熱感) |
主な使い方 | トレンドの勢い、反転 | 買われすぎ・売られすぎ、反転 |
ダイバージェンス | トレンド中に起きやすい | レンジ相場で効きやすい |
弱点 | レンジ相場でだましが多い | 強トレンド時に機能しにくい |
両者を組み合わせることで、シグナルの精度を高めることが可能です。

筆者のリアルな使用感:RSIの信頼度は?
個人的に、RSIは日足・週足などの中長期チャートで高い精度を感じています。 特にダイバージェンスが起きた時は、天井・底の見極めに役立つ場面が多く、反発や反落のタイミングが比較的読みやすいと感じます。
また、私自身はRSIの反発ラインとして「70/30」よりも80/20の方が信頼できるケースが多いと考えています。 特に強いトレンドが発生している場合、RSIが80を超えても価格がさらに上昇することもあるため、安易な逆張りには注意が必要です。
一方で、1時間足以下の短期チャートにおいては、トレンドの勢いによってはRSIの逆張りシグナルが機能しない、またはだましになることも多く、慎重な見極めが求められます。
そのため、RSI単体ではなく、MACDや移動平均線、ローソク足のパターンなど他のインジケーターと組み合わせることで、より精度の高いトレード判断につながると考えています。
まとめ:RSIはトレンドの“息切れ”を読むヒント
RSIは、相場が行き過ぎていないかをチェックする「温度計」のような存在です。 短期〜中長期、あらゆる時間軸で使える汎用性があり、他の指標と組み合わせることで、精度の高い分析が可能になります。
初心者はまず「70/30ライン」から意識してみるのがおすすめです。